開催場所の選定は「やりたいこと」と「できること」の擦り合わせ!
会場選びはイベントの成功に大きく影響する重要なポイントです。大前提として実施するイベントのテーマ・目的・主旨に合った開催場所を選ぶことが重要です。
音楽イベントなら音楽イベントに適した場所を選びましょう。すぐ近くに住宅地があるなどクレームに繋がることが明らかな場所や、音楽機材に必要な電源が十分に確保できないなどイベントの内容によって必要な要件をあらかじめリストアップすると良いでしょう。
次に、リストアップした必要な要件と会場の様々な制約とを擦り合わせて見ましょう。地理的な制約はもちろん、交通アクセス、安全対策、予算、収容人数、必要な設備の有無など、多くの条件を掛け合わせてベストな会場を選ぶようにしましょう。この時、当然その日程で空いている会場を探さなくてはなりません。すでに日程が決まっておりどうしても動かせない場合は他の会場を探すことになりますので、はじめから要件を満たす複数の候補を挙げておくと良いでしょう。
また、企業などが自社の敷地内を使用するなど、会場の確保が容易な場合でも上記のように交通アクセスや収容人数などがイベント構成に沿えるかをよく検討してください。
また注意が必要なのが会場を借りるための予算です。格安の使用料につられてその場所で開催してみたら、必要な設備に不備・不足があり結局、別の業者からレンタルすることになり高くついた、ということはよくあります。会場費用だけに限りませんが、イベントの予算管理については場所・物・人など単体でのコストを計算するのではなく、イベントの目的を達成するためのトータル・コストを常に意識しましょう。
会場の情報を集めましょう
会場を選定する際に、現在は多くの方がまずネットで検索をすると思われます。現在多くの公共・民間のイベント用施設や会場のホームページには、その施設の平面図のほか、対応する設営レイアウトサンプルや、設備の一覧・料金、搬入・搬出のマニュアル等各種の資料が掲載されています。これらを活用し会場選びの検討・比較材料にしてください。また電源が必要な機材を使用する場合には電源の回路図や使用可能容量についても確認します。図面などの各種資料ががホームページ内に設けられていない場合は別途施設から直接取り寄せる必要があります。
いくつかの開催場所候補が絞り込めたら、実際に会場へ問い合わせをし、空き状況やその他の詳細を確認しましょう。また、必ず会場側との都合をあわせ下見を行いましょう。
会場選びをイベント企画・運営会社に依頼するメリット
会場選びを主催者自ら行うのでは無く、イベント企画・運営会社に依頼をするという手段もあります。
イベント会社はその分野のプロフェッショナルです。様々な会場でのイベント実績を持っていますので主催者の希望するイベント目的・予算・規模に合った会場を提案してもらえます。施設のホームページには載っていない情報や問題点も知り尽くしているので、施設側の担当者より施設の設備や状態に詳しいことがあります。また、イベント会社と施設側とでコネクションがあったり、実績等があり会場を押さえる上で話がスムーズに進行する場合もあります。
そういった事を踏まえ、イベント会社に会場選びをお願いするメリットは多いにありますので検討して見るとよいでしょう。
また、逆に希望する会場・施設でのイベント実績を多く持っているイベント会社に、企画・運営を依頼するといった方法もあります。
会場を下見するときのチェックポイント
会場の候補が決まったら必ず下見をしましょう。イベント会社が選定してくれた場所であっても必ず主催者側も下見に同行してください。
遠方で現地に出向くのが難しい場合などもあるとは思いますが、下見をするのとしないのとでは結果(イベント当日)に大きく影響が出ます。特にイベント中にトラブルが起きてしまったときにはこの差が明確に現れますので、可能な限り!いや 確実に!下見をしましょう。
そうすることで事前に実際の会場の環境や問題点を発見し、あらかじめ対処できることは当日までにしておく事もできますし、当日何らかの異変があっても余裕を持って対応できる可能性があります。
以下、下見に行った際に特に重要なチェック項目です。
使用料金 | 使用する際の金額のほかに支払いの時期や延長料金・キャンセル料やそれに付随する契約方法を確認しましょう。 |
借用可能時間 | 借用時間前に機材の搬入が可能か、借用時間終了後に撤収・搬出作業が可能か時間内に完全撤収かなどを現場で確認しましょう。
搬入・搬出や設営作業は当日の天候などに左右され大幅に予定が狂う可能性もあるので事前に施設側と充分打合せをしましょう。 |
アクセス | 駐車場の容量、近接主要道路の混雑具合や車と歩行者との事故が起きる可能性のある箇所を把握しましょう。
また公共交通機関でのアクセスのしやすさや駅やバス停から会場までの案内が明確にされているかをチェックしましょう。 もし危険箇所がある場合や、案内に不足がある場合は、案内板を設置したりガードマン等の警備・誘導員を配置するなどして対応しましょう。 イベント会場の外(周辺環境)の混乱はクレームやトラブルに繋がる最も大きな要因です。 |
キャパシティ | 収容人数が来場者数に対して無理がないかを確認してください。また一般市民向けイベント等で来場者数の予測が困難な場合は予め入場規制等の
一時的措置の対策も事前に協議・告知をしておきましょう。 |
セキュリティ | 施設の避難経路図が表示されているか、コインロッカー等の設備や荷物を一時的に預けられる場所があるか。
万が一、犯罪やトラブルが発生したときのために防犯カメラ等が設置されているか、最寄の警察署(交番)はどこの管轄になるかを確認しましょう。 また、VIPや芸能人が来場・出演するイベント等では、専用の部屋、一般来場者とは別の移動経路・出入口があるかなどを確認しましょう。 |
機材・備品 | 空調設備や電源、スクリーンや音響照明設備、椅子やテーブルといったイベントに必要な機材や設備等を施設のものを使用できるか。
できる場合は有料か無料なのかといった事を確認しましょう。 |
演出効果 | イベントの企画内容に合った演出効果をできるだけの施設かどうか確認しましょう。
音響や照明の設備、ステージ、天井高や搬入・設営に際して施設内での車両・重機等の作業が可能かどうかも確認しましょう。 イベント企画・運営会社や音響照明業者など外注をしている場合はその業者の担当者に同行してもらえるとより確実なチェックができます。 |
携帯・WiFi電波 | 携帯電話は国内大手3社の電波状況をチェックします。WiFi等のネット環境が必要なイベントではネットの回線状況もチェックします。
もし設備が無いようであれば別途設置工事が必要になります。 |
会場内導線 | 会場内で来場者がスムーズに移動できるかどうかをチェックします。
特に出入口は混雑しますのでそれぞれ専用の通路などを確保できるかチェックしましょう。 またそれらの案内も来場者が一目瞭然でわかるよう、案内板を設置したりできるかを確認しましょう。 |
搬入・搬出経路 | 機材などの搬入経路を確認しましょう。大規模なイベントでは会場内にトラックごと搬入したりフォークリフト等重機を使う場合もあります。
搬入口に停車できる台数の確認や、搬入口・搬入経路の寸法などもチェックします。 また忘れがちになる箇所としてエレベーターの寸法と重量制限です。 重い機材を階段で搬入しなければならない場合、時間も人員も余分にかかります。 |
控え室・スタッフルーム | 出演者やスタッフの着替えや休憩のための部屋やスペースが確保できるか、商品をストックしておけるバックヤード的なスペースが
確保できるかどうかを確認します。 |
飲食関係 | 飲食屋台等の企画がある場合の施設の対応状況を確認します。施設内でガスコンロ等の火気を使用しても良いか、
水道設備は足りているかをチェックしましょう。 また、ケータリングが必要な場合は会場近くでケータリング業者を手配できるかどうかも確認しておく必要があります。 |
ごみ・廃棄物 | イベントにゴミはつき物です。イベントで出たごみ・廃棄物の処分方法を施設側に確認しましょう。
大量のゴミが発生するような場合はイベント終了後、ゴミ処理業者の手配が必要です。 施設側の指定する業者や会場のある自治体の指定する業者が決まっていたりする場合もあります。 |
トイレ | 来場者数に対してトイレの数が足りるかどうか、トイレ内の設備はどのようなものかを確認しましょう。
特に障害者用トイレの有無についてはしっかり場所と数を把握しましょう。 |
喫煙スペース | 近年の禁煙ブームでイベント会場内禁煙と言うのが主流になっていますが、喫煙者を排除すると言うことは来場者を減らしているということにもなります。
よほどの場所、病院や学校などではない限り喫煙所を設けることが好ましいです。 しかし、特に公共施設等では敷地内全面禁煙としているところも増えていますので、予め会場敷地内全面禁煙だと言うことを告知しておきましょう。 |